利用範囲が広がって

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 段ボールの発祥は、1856年で英国からです。シルクハットの内側を汗で蒸れないようにするため、通気性を保つ裏地材として開発されたものです。後に米国で、ビンなどの緩衝材、包装材として普及しました。

 全国段ボール工業組合連合会によると、日本では1909年(明治42年)に、中国大陸の放浪から帰国した井上貞治郎という人物が、国産化に成功しました。その後、電球の包装材などに使われ、「段ボール」という名前は井上さんが<波形の段の付いたボール紙>にちなんで命名したとされます。

 段ボールが国内で普及したのは戦後になってからで、朝鮮戦争で米軍などが物資を運んだ段ボール箱が丈夫さや軽さで注目されました。戦災復興で木材が不足して、51年(昭和26年)には吉田茂内閣が木箱から段ボール箱へ切り替えを推進すると閣議決定しました。

 今では、断熱性や加工のしやすさなどを生かして災害用の簡易ベッドも開発され、熊本地震などで重宝されました。昨年の国内生産は、面積換算すると岩手県の広さに匹敵するほどになり、井上さんが設立した会社は業界の最大手になりました。

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