天然記念物という言葉を使った人とは?

画像
フンボルト
画像
ヤンバルクイナ(天然記念物)

 天然記念物という概念を初めて用いたのは、ドイツの地理学者フンボルトという人です。
1800年、旅先のベネズエラで珍しい巨木に目が留まり、傘状に直径60メートル近く広がる見事な枝を見て「この天然記念物を冒涜するものは厳しく罰せられる」と著書の中で述べ、保存を求めました。


 欧米ではこの頃、産業革命の影響で川の水質汚濁や煙害など自然破壊が深刻化していました。1906年には、ドイツで天然記念物の保護に関する法律が世界で初めて制定されました。同じ年に、日本でも動きがありました。ドイツに留学経験のあった当時の植物学の権威、三好学博士が、論文で名木の保存を訴えたのです。その前年の05年には、ニホンオオカミが絶滅したと見られていて、明治維新以来の開発の影響が出ていました。


 論文は反響を呼び、19年には名勝などの開発を許可制にする「史蹟名勝天然記念物保存法」が成立し、千葉県の食虫植物などが定められました。戦後は文化財保護法に引き継がれ、動植物、鉱物など1000件以上が指定されています。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック